「将来が不安だから、もう少し貯めておこう」
「これは欲しいけれど、なくても困らない」
「やりたいことは、退職してからでいいかな」
そんなふうに、自分の楽しみを後回しにしていませんか。
私は、将来に備えることを大切にする一方で、自分のためにお金を使うことには慎重な看護師さんもいるのではないかと感じています。
もちろん、貯金は暮らしを支える大切な備えです。ただ、頑張って働いて得たお金を、いつ、何に使いたいのか。そのことも、同じくらい考えておきたいと思います。
今回取り上げるのは、ビル・パーキンスの著書『DIE WITH ZERO 人生が豊かになりすぎる究極のルール』です。
本書では、今しかできない経験への支出や、年齢に応じたお金・健康・時間のバランス、やりたいことを実現する時期について考えるルールが紹介されています。出版社の書籍紹介
この考え方を、FPNSの視点から、看護師の働き方と暮らしに重ねてみたいと思います。
「いつか使う」の、いつかはいつだろう
将来のために貯めているお金。その使い道を、具体的に思い描いたことはあるでしょうか。
旅行に行きたい。好きなスポーツを楽しみたい。家族とゆっくり過ごしたい。新しいことを学びたい。
どれも、お金だけあれば実現できるとは限りません。体力や時間、一緒に過ごす相手の都合も関わってきます。
今楽しめることと、10年後に楽しめることは、少し違うかもしれません。
だから私は、「将来いくら必要か」と一緒に、「今の自分は、何にお金を使いたいか」も考えたいと思っています。
看護師として頑張ったお金を、自分の暮らしにも生かす
看護師の仕事では、患者さんのことを考え、周囲に気を配り、責任を持って判断する場面が続きます。
仕事を終えるころには、自分のことを考える余裕がなくなる日もあると思います。
それでも、私たちにも仕事以外の人生があります。
好きなことをする自分。家族と過ごす自分。何かを学び、新しいことに挑戦する自分。
一生懸命働いて得たお金を、その時間のために使ってもいい。
「必要なものかどうか」だけで判断していると、なくても生活できる楽しみは、いつまでも後回しになってしまいます。
生活に困らないことに加えて、毎日を楽しめることも大切にしたいです。
私がお金を使うもの① ジムと体を動かす時間
私は、体を鍛えることが好きです。そのため、ジム代にはお金を使うようにしています。
家計簿の上では、毎月出ていく固定費です。でも、自分にとっては、好きなことに取り組む時間をつくる支出でもあります。
体を動かすことを楽しみ、その時間を生活の中に持つ。私が大切にしたい暮らしの一部です。
固定費を見直すときにも、金額の大きさだけで削るのではなく、実際に使っているか、満足しているかを考えたいと思います。
通っていないジムの会費なら、見直す意味があります。一方で、楽しんで通っているなら、続ける価値のある支出かもしれません。
同じ支出でも、その人にとっての意味は違います。
私がお金を使うもの② 毎日の食事
私は、自分が体に良いと考える食品にも、お金を使うようにしています。
毎日の食事は、私にとって体を大切にするために意識したいことの一つです。
ただ、高価な食品を買うこと自体が目的ではありません。値段だけで選ばず、食事の内容や、自分が無理なく続けられるかを考えたいと思っています。
節約を意識するあまり、自分が大切にしたい食事まで我慢し続けていないか。
食費を振り返るときには、「いくら減らせるか」とともに、「どんな食生活を続けたいか」も考えたいです。
私がお金を使うもの③ AIを使い、学ぶこと
最近は、AIにもお金を使っています。
新しい道具に触れることも、自分の可能性を広げるための支出だと考えているからです。
例えば、文章の構成を考える、頭の中のアイデアを整理する、学びのきっかけをつくる。AIには、そんな使い方があります。
私にとっては、これから何ができるようになるのかを楽しみにするお金の使い方でもあります。
もちろん、料金を払うだけで価値が生まれるわけではありません。
実際に使っているか。役立っているか。自分で考え、学ぶことにつながっているか。使いながら確かめていきたいと思います。
看護師として学び続けることに加えて、看護以外の世界にも触れてみる。そのためにお金を使うことも、私は大切にしています。
「使う技術」は、自分が大切にしたいものを選ぶこと
ここからは、本の考え方を踏まえて、私自身が実践していきたいお金の使い方です。
支出に迷ったときは、次の3つを考えてみます。
- これは、自分が楽しみたいことや、大切にしたい暮らしにつながるか
- 先延ばしにすると、できる機会を逃してしまわないか
- 生活や必要な備えを守りながら、無理なく使えるか
周囲の人と、同じ使い方をする必要はありません。
旅行が好きな人もいれば、家でゆっくり過ごすことが好きな人もいます。スポーツ、食事、学び、家族との時間。それぞれに価値があります。
私の場合は、ジムや食事、そして最近ではAIです。
「みんなが買っているから」ではなく、「自分の毎日をどうしたいか」で選ぶ。その積み重ねが、使う技術につながるのだと思います。
安心して使うために、備えも具体的にする
「お金を使って人生を楽しもう」と言われても、将来が不安なままでは使いにくいものです。
だからこそ、普段の生活費、近いうちに必要になるお金、急な出費への備え、将来に向けた準備を、一度整理してみたいと思います。
必要な金額は、家族構成や働き方、暮らし方によって異なります。夜勤を減らしたい、時短で働きたいといった希望も、合わせて考えることが大切です。
そのうえで、自分の楽しみや経験のためにも予算をつくる。
「余ったら使う」だけでは、いつまでも使えないことがあります。家計の中に、自分が人生を楽しむためのお金も組み込んでおきたいです。
FPNSが伝えたいのは、貯めた先にある暮らし
FPの勉強をすると、貯蓄や資産形成に目が向きます。それらは、将来の選択肢を支える大切な手段です。
そして、その先には、一人ひとりが送りたい暮らしがあるはずです。
私は、体を動かすことを楽しみ、食事を大切にし、新しいことを学びながら暮らしたいと思っています。家族と過ごす時間も、大切にしたいです。
そのために、お金を貯める。そして、必要な場面では使う。
『DIE WITH ZERO』をきっかけに考えたいのは、自分のために働いて得たお金を、自分の人生にどう生かしていくかということです。
看護師として、人の生活や人生を支えている皆さんにこそ、自分自身の楽しみも大切にしてほしいと思います。
貯める力を育てながら、使う技術も身につける。
まずは一つ、「本当はやってみたいけれど、後回しにしていること」を書き出してみませんか。そのために使うお金を考えることも、これからの看護師人生を楽しむ一歩になるはずです。

